インターネット無料マンションとは、引っ越してすぐに接続できる無料インターネットサービスつきマンションのことです。
「インターネットにかかるコストを抑えたい」という方はもちろん、通常なら必要となるプロバイダーや光回線契約を大家さんがまとめて管理しているので「プロバイダーや回線の契約が面倒」という方に人気ですが、「遅い」という不満もよく聞かれますね。ここでは遅い理由と対策について解説していきます。
インターネット無料マンションと混同されやすいのが「インターネット完備」「インターネット対応」と謳う物件です。
これは「インターネット回線を使ってもいいですよ」という意味なので無料にはならず、自分で契約しないとインターネットを使えません。
無料インターネットが遅くなる理由として、以下の問題が考えられます。
集合住宅におけるインターネット配線は、光回線でも3種類あります。「光ファイバー配線」「VDSL配線」「LAN配線」がありますが、このうち最も早く安定しているのが光ファイバー配線。ただし導入コストがかかるため、無料インターネットマンションではより低コストのLAN配線を用いるのが一般的です。
光ファイバー配線の通信速度目安が1Gbpsなのに対して、LAN配線は100Mbpsと10倍の差になってしまいます。200MbpsのLAN配線も一部にはあるようですが、光ファイバー配線と比べてどうしても差は出てしまいます。
インターネットを使う入居者が多ければ多いほど、回線は混雑します。とくに夜は動画やゲームを楽しむ方が多いので「遅い!」とイライラしてしまいがち。
部屋数の少ない集合住宅でも、入居者にヘビーユーザーがいればやはり速度が低下してしまいます。このあたりは入居してみないとわからないところです。
通信速度はさまざまな要因に左右されます。遅い理由は回線ではなく、パソコンやスマホのスペック、接続が甘くなっていることなどが原因かもしれません。次項で対策を示します。
スムーズに使えていたのに最近調子が悪い場合は、ルーターの電源を落として再起動すると速度が改善することも。LANケーブルの接続部分なども抜き差ししてみましょう。
また、無線LANを使っている場合はLANケーブルを使って有線接続にすると改善されます。
パソコンのCPUやメモリの使用率が100%に近ければ、無駄なデータ・履歴の削除やクリーンアップなどのメンテナンスを試すのもおすすめです。
ルーターはインターネット回線をパソコンやスマホなど複数の端末で使えるようにするための機器ですが、規格によって通信速度に差があります。回線が1Gbpsの速さでもルーターが11だとすると2Mbpsに低下してしまいます。
ルーターの規格名 | 最大通信速度 |
---|---|
IEEE802. 11 | 2Mbps |
IEEE802. 11b | 11Mbps |
IEEE802. 11a | 54Mbps |
IEEE802. 11g | 54Mbps |
IEEE802. 11n (Wi-fi 4) |
600Mbps |
IEEE802. 11ac (Wi-fi 5) |
6900Mbps |
IEEE802. 11ax (Wi-fi 6) |
9600Mbps |
ルーターの規格はパソコンなどの端末側と合わせる必要があるので、購入前に調べておきましょう。おすすめは11acです。多くの端末で採用されており、かつ価格のほうも安いものなら3000円台と控えめです。
どうしてもインターネットが遅い場合は、回線を自分で契約するほうがストレスがないかもしれません。
光回線は工事が必要になるので、マンション管理者に相談して事前の許可が必要です。ですが工事で壁に穴が開いてしまうため、物件によっては断られることも少なくありません。
工事不要の無線Wi-fiを検討してみましょう。無線Wi-fiにはモバイルや据え置きなどいろいろなタイプがありますが、外出先でも使うならWiMAXなどのモバイルタイプ、家族で使うならソフトバンクエアーなどの据え置きタイプがおすすめです。
以前は「無線系Wi-fiは遅い」という口コミも見られましたが、ソフトバンクのターミナルAirを例にとると最新のターミナルAir4は最大481Mbps、一部エリアでは962Mbpsとなっています。初期のターミナルAirは最大110Mbpsだったのでかなり向上していますね。
引っ越しの際も無線Wi-fiなら持ち運ぶだけで契約手続きや再工事などもなくラクラクです。
あまりインターネットを使わないライトユーザーならメリットのある無料インターネットマンション。ですが仕事で頻繁にインターネットを使う方や、動画をたくさん視聴したい方には不向きかもしれません。すでに入居してしまっている場合でも上記のように対策はできるので、ぜひ試してみてくださいね。