「動画視聴を楽しんでいるときに読み込みが遅い」「ビデオ会議中にフリーズ」など、インターネット回線の速度が遅いとついイライラしてしまいますよね。ここでは遅くなる理由と速度チェック方法、速度改善のための対策についてまとめました。
インターネットの通信速度が遅くなる理由としては以下が考えられます。
ネット通信で一般的なのは光回線ですが、同じ回線の利用者が増えれば増えるほど速度は遅くなります。とくに集合住宅はたくさんのユーザーが使うので混雑しがち。中でも夕方から夜間はインターネットをする人が多いので、昼間よりもスピード低下しやすいといえます。
人気コンテンツを提供するサーバーはユーザーが集中するので、時間帯によっては遅く感じます。これを回避するためにyoutubeや Netfilixなど人が集中するサイトは IPv6に対応しています。
IPv6(IPoE)は従来のIPv4プロトコルよりも使えるアドレス数が多く、またホームゲートウェイを介さないのでよりスピーディな閲覧が可能に。ただしユーザー側がIPv6対応のOS、プロバイダー、ルーターを使っていないと利用できません。
端末の性能に問題があると、いくら高速回線を利用していてもCPU処理速度が追いつきません。不要データの削除や移動などで改善する場合があります。
ルーターには規格があり、古いものほど速度が制限されてしまいます。何年も同じルーターを使っている場合は注意が必要です。
たとえば11b規格の古いルーターだと最大通信速度は11Mbps、これが比較的新しい11ac規格だと6900Mbpsなので、600倍以上もの差があることになります。
光回線にはフレッツ光やauひかりなどがありますが、同じ光回線を利用していても光コラボプランやプロバイダーによって速さに違いがあります。プロバイダーの速度は、以下のサイトが参考になります。
通常のネットサーフィンや動画視聴なら、5Mbpsを継続するくらいの通信速度があれば良いといわれています(4K視聴の場合は25Mbpsが目安)。ただしこれは1つの回線で1端末のみ使う場合です。同じ5Mbpsでも、家族でスマホやパソコンを同時に使ったりIoT家電の普及でたくさんの端末と接続したりするケースでは速度低下を招いてしまいます。
回線速度のチェックサイトで有名なのは Fast.com(https://fast.com)です。アクセスするだけで簡単に下り速度を判定できるので、ぜひ試してみましょう。
インターネットが遅いときの対策を以下に示しました。今すぐできる対策も多いので、チェックしてみてくださいね。
端末内にある一時ファイルなどの不要なデータ消去、ブラウザ・OSの更新などのメンテナンスでCPU処理速度が見込めます。また複数のセキュリティソフトが競合している場合にも速度低下を起こすので、確認してみましょう。
昔と比べてデータ量の多い画像や動画を載せているページが多いため、パソコンのメモリーは最低でも4Gくらいないと厳しいかもしれません。
無線ルーターと端末の間に壁などの障害物があると、通信が遮断されてしまうことがあります。接続には2.4GHzと5GHzの周波数がありますが、5GHzは障害物に弱いので2.4GHzに切り替えてみましょう。
2.4GHzで遅い場合、ルーターと端末の間に障害物がなければ5GHzへの切り替えで速度が改善します。ただし電子レンジなどの電波干渉を受けやすいので、生活家電の近くにルーターを配置しないなどの工夫が必要です。
また、ルーターやONU(終端装置)の電源を抜き差しすることで速度が改善することもあります。
サーバーが混雑している場合、IPv4からIPv6に切り替えるという方法があります。
現在接続しているインターネットがどちらを利用しているかは、「あなたのIPv6をテストしましょう」(https://www.test-ipv6.com/)というサイトで確認できます。
IPv6に対応していない場合、契約しているプロバイダーや光コラボで「IPv6 over IPv4」のオプションを扱っているか確認しましょう。 IPv6 over IPv4とは、単にIPv6対応しているだけではなくIPv4形式のサイトもIPv6形式で表示できるものです。 IPv6 over IPv4を利用することで通信速度の改善が期待できます。
ただしIPv6の中でもPPPoE形式は速度改善が見込めません。オプション申し込みの際はIPv6(IPoE)であることを確認しましょう。
ルーターの規格によって速度が制限されている場合、より新しい規格のルーターに買い替えることで速度が向上します。
ルーターの規格名 | 最大通信速度 |
---|---|
IEEE802. 11 | 2Mbps |
IEEE802. 11b | 11Mbps |
IEEE802. 11a | 54Mbps |
IEEE802. 11g | 54Mbps |
IEEE802. 11n (Wi-fi 4) |
600Mbps |
IEEE802. 11ac (Wi-fi 5) |
6900Mbps |
IEEE802. 11ax (Wi-fi 6) |
9600Mbps |
ただしルーターを変えるだけでは不十分で、パソコンなどの端末も同じ規格に対応させないと速くなりません。まずは端末の規格を確認してみましょう。
Windowsの場合、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-fi」→「ハードウェアのプロパティ」を開くと、上のほうに「プロトコル」という項目があります。そこに「Wi-fi 5(802.11ac)」などとあれば11acに対応しています。
フレッツ光やドコモ光など複数のプロバイダーが参入している回線の場合、ほかのプロバイダーや光コラボに変更してみるという方法もあります。
光回線を変えずプロバイダーのみ変更する場合は工事をする必要はありません。
ただしプロバイダーのメールアドレスや電話が使えなくなることがあるので、その点は注意しておきましょう。メールアドレスは数百円の手数料で残してもらえる場合もあります。
また、解約の時期によっては違約金が発生します。できるだけ更新月での変更をするのがおすすめです。
現在の回線がADSLやCATVの場合、光回線に変更することで大幅な速度向上が期待できます。とくにADSLは2023年で廃止することが決まっているため、いずれにしても近い将来で回線を変える必要があります。
光回線なのに速度が遅いという場合は、乗り換え先としてNURO光が人気です。ベーシックプランでも2Gbpsの通信速度で、一般的な光回線の1Gbpsよりもサクサクと快適な通信速度。それでいて月額使用料は4743円と抑えめなのがうれしいポイントです。
より速さを追求する方に人気の6・10・20Gbpsのプランも選べます(エリアによって契約できない場合もあります)。